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  • 執筆者の写真長浜奈津子

『雪解』永井荷風 /Thaw by Kafu Nagai 於:六本木ストライプスペース

おとがたり朗読ライブ

演目「雪解」永井荷風

2023年8月6日(日)16時~ 於:六本木ストライプスペース


<出演>

おとがたり

長浜奈津子(朗読)

喜多直毅(ヴァイオリン)

<公演日時>

2023年8月6日(日) 開場15時半 / 開演16時 

<会場>

六本木ストライプスペース

〒106-0032東京都港区六本木5-10-33 ストライプハウスビル Mフロア

Tel:03-3405-8108 Fax:03-3403-6354

(六本木駅 3番出口より徒歩4分)

<入場料金>

予約¥3,500 当日¥4,000 (全席自由)

<問合せ・ご予約>

電話 090-3339-1281(長浜)

メールnappy_malena@icloud.com(長浜)


ー 作品紹介 ー

目に鮮やかに浮かぶ、大正期の人々の暮らし、街々の風景。再会した初老の父と娘の物語を、情緒豊かに描いた荷風短編小説。

「お照はそれにしても不人情なこの親爺にどういうわけで酒を飲ませてくれたのであろう。」

兼太郎は点滴の音に目をさました。そして油じみた坊主枕から半白の頭を擡げて不思議そうにちょっと耳を澄した。枕元に一間の出窓がある。その雨戸の割目から日の光が磨硝子の障子に幾筋も細く糸のようにさし込んでいる。兼太郎は雨だれの響は雨が降っているのではない。昨日午後から、夜も深けるに従ってますます烈しくなった吹雪が夜明と共にいつかガラリと晴れたのだという事を知った。(本文より)/ 永井荷風「​雪解」



ー 出演者プロフィールー

女優・長浜奈津子とヴァイオリン奏者・喜多直毅による朗読ユニット。首都圏を中心に意欲的に活動を行なっている。物語の持つファンタジーを声や楽器の音を通して空間にありありと描き出すために、即興的に互いの間・抑揚・言葉に反応しながら進行するパフォーマンスは臨場感にあふれ、聴く人はまるで物語の中に居合わせるかのような印象を抱く。来場者はもとより、文学研究者からも高い評価を得ている。

桐朋学園演劇科卒業後、劇団俳優座へ。女優・朗読家。2016年から市川市文学ミュージアム「市川荷風忌」へ出演。 “荷風ひとり語り”『ひかげの花』他三味線語り。ヴァイオリニスト喜多直毅氏との朗読ユニット“おとがたり”では『濹東綺譚』他、永井荷風作品を多数上演。於:六本木ストライプハウス「朗読空間 ~ひとり語り~」では、泉鏡花『高野聖』『外科室』他、坂口安吾『桜の森の満開の下』『夜長姫と耳男』、小川未明『赤い蝋燭と人魚』、小泉八雲怪談、宮澤賢治詩と童話、他多数。 “女優の語り” として物語の登場人物を演じ読めば、声のみで言葉や物語を聞き手に読み渡す。

国立音楽大学卒業後、英国にて作編曲を、アルゼンチンにてタンゴ奏法を学ぶ。現在は即興演奏やオリジナル楽曲を中心とした演奏活動を行っている。タンゴに即興演奏や現代音楽の要素を取り入れた“喜多直毅クアルテット”の音楽は、そのオリジナリティと精神性において高く評価されている。他に黒田京子、齋藤徹 (故人) との演奏や邦楽・韓国伝統音楽奏者・現代舞踏家との共演も数多い。欧州での演奏も頻繁に行う。我が国に於いて最も先鋭的な活動を行うヴァイオリニストの一人である。


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